2011年6月21日火曜日

思い立ったが吉日

今日、突然クライアントの奥様からお電話を頂きました。
「今日、晴れているので写真撮影をお願いします。」とのこと。
今日は全然その予定は無かったのですが、急遽カメラマンに連絡し、
「今日撮影お願い出来ますか?」と。
するとカメラマン「別件を午前中に片付けて午後からならOKです!」
ということで今日は写真撮影に行って参りました。
しかし、現場についてみると空模様は若干曇り。
実は数日前、撮影の予定を天気予報とにらめっこして決めていたのですが、曇りになってしまいあきらめた日があったのです。ですから、確実に晴れの日を選んで撮影したいと思っておりました。
しかし、クライアントにもこれ以上撮影を延ばし迷惑をかける訳にもいかず、撮影決行!
しばらく現場にいると空模様がだんだんと快晴に!!!
願えば通じるものだなと思いました。
梅雨の谷間に現れた澄んだ青空が建物を美しく演出してくれました。

これはホームページで近日公開予定の伴東の家です。
その他写真もアップ予定なので乞うご期待!


この写真は建築写真を撮るときによく使われる4×5判(シノゴバン)と言われる大判フィルムを使う写真機です。
通常のカメラと違い、三脚に据えてからカメラを水平移動させるたり、建物を下から見上げた時に上が窄まってしまうのを補正するあおり補正機能が付いていたりするカメラです。
装飾を排し、目的の機能を果たすためだけの姿となったこのカメラはその機能そのものがデザインとなっています。建築においてもデザインありきではなく、求められている機能が表に現れてそれが高い次元で美しくそして合理的にデザインされる必要があると思いました。
またそんな建築を今後も作っていきたいと考えております。



最後に玄関ポーチ前から空を見上げてみました。
あまりの空の美しさとそのコントラストに感動し、またお電話を下さったクライアントに感謝です!!!
思い立ったが吉日。行動せずに悩むのではなく、動いてそして考えるというのが仕事を成功させるコツなのかもしれないと空の青さと奥様の電話で教わりました。

ノートパソコン

ノートパソコンがウンともスンとも言わなくなりました。。。

黒い画面に白い字で一行、、、
Missing Operating System... (OSを見失いました?)

復旧作業を今日の午後から今まで(AM1:50)、いろいろと試みたのですがどうにもなりません。
調べてみると、どうやらリカバリディスクなるものが必要とのこと。
マニュアルを見るとパソコンを購入したらリカバリディスクを作成してください、と記載されていました。

・・・

知らなかった・・・、そんなことしてない(涙)

もしかしたらマニュアルと一緒に同梱されているかもしれないと思いパソコンの箱を見てみるのだが、
入っているディスクはマイクロソフトのOfficeとパソコンに最初から入っているアプリケーションのみ。
私はOSのインストールディスクは絶対に入っているものと思っていたのですが、どうやらない。
もう一度マニュアルをよく読むと万が一壊れたときパソコンを購入したときに戻すためのディスク(リカバリディスク)は購入して最初に作成してください、とありました。

ではそのリカバリディスクが無い人(作ってない人、無くしてしまった人etc...)はどうするのか?
そのパソコンメーカーに有償で送付してもらうしかないとのことです。

さらに頭にくるのが、その申し込みもメーカーのサイトにログインして(その際ユーザー名とパスワードは当然求められる。)申し込むのです。

最初に疑問に思うのはなぜ、リカバリディスクを同梱しないのか?ということです。
さらに一度購入しているわけですから、メーカーサイトからダウンロードできる様になぜ出来ないのか?
そして愕然としたのは、メーカーに質問しようと電話窓口を調べてみると、購入当時は365日24時間無料対応だったのが、9時から21時に時間変更があり、さらに電話1回¥2,000かかるようになっている。
前述のとおりメーカーサイトにアクセスするにはユーザー名とパスワードが必要ですが、もしそのパソコンにしかユーザー名やパスワードを保管していなかったら、壊れたパソコンから見られないのです。
つまり、リカバリディスクの申し込み自体も出来なくなってしまう可能性があるのです。

こうして、今日の一連の作業を振り返ってみるとパソコンに対してリテラシーがない人はパソコンの修理を諦めて新しいパソコンを購入するしか道は無いように思います。
おそらく購入した家電量販店に持っていってもハードディスクの交換となり、数万円の修理費用を要求され、じゃあ新しいのを購入するということになるのではないかと思います。

メーカーは新しい製品を購入してもらうため、購入前の宣伝やメリットのアピールにばかり力を注ぎ、実際に使うユーザーへのサポートにはあまり注力しないという印象があります。
悪く言うと、売ってしまえばそれで良しという姿勢に見えます。

本当の関係とは購入してからメーカーとのお付き合いが始まると私は考えます。
じゃないともうそのメーカーからは買いたいとは思わないと思います。

建築も同様、作ってそれでお仕舞いというのではまずいと思います。
メンテナンスのお手伝い、そして製作者としてお客様に寄り添い、真摯にご対応するというのが正しい姿だと感じました。
そういうお客様の満足度により次の仕事につながるような設計事務所にしたいと改めて思いました。

最後にF通さ~ん、そのあたりどうなんでしょうか?
リカバリディスクを購入したり、自分で作成しなければいけないこの状況は改善できないでしょうか?
そして、このブログを見てくださる皆様、パソコンのリカバリディスクのご用意はいかがですか?調子は突然、何の前触れもなくいきなり悪くなるので定期的なバックアップもお忘れなく・・・

2011年6月19日日曜日

安佐動物園

昨日は徹夜明けの作業に区切りが付き、1ヶ月ぶり?くらいのオフを取りました。
とは言っても、私も妻帯者。
家族も私の仕事の都合でどこにもしばらく遊びに行っていないという事もあり、家族サービスに出かけてきました。
天気はどんより曇り。今にも雨が落ちてきそうな雲行きでした。しかし、晴れ男、晴れ女が集まった家族なので何とかなるだろうと強行!

思い切って出かけてみて大正解。動物園は日曜日にも関わらず、混み合う事無くしかも日差しが無かったので、暑くも無くでした。

もっと最高だったのは動物達でした。
何度か安佐動物園には行った事はあったのですが、だいたい動物達はあまりやる気もなく、遠くで寝ているというのが相場であるところ、昨日は普段と違い、ハッスルしてくれていました!!!

その一例を紹介します。
 象はだいたい遠くでしか見た事が無かったのですが、この日は堀の縁ギリギリまで出て来て鼻をブンブン振り回してくれて、改めて「象ってでけぇ・・・」と感動させてくれました。

次に、孔雀。この鳥も雄は翼を広げるととても美しいのですが、その勇姿はなかなか見る事が出来ないのですが、この日は発情期?なのか隣にいたメスにガンガン猛アピール!
悲しいかな、無視を決め込まれていましたが、、、その後の健闘を祈ります。

そして、今回の安佐動物園の最大の目的はこのレオガラス!!!
設計されたのは実は私の師匠でもある飯田氏。
まず驚かされたのが、ライオンとの距離。ガラスの厚みおよそ2cmはライオンを鑑賞出来る最小寸法ではないのか!?
普段、動物園の猛獣達を見るときは檻ごしに見るというのが一般的な常識であるが、その檻を無くしてしまうとこの距離感になってしまうのである!!!

見よ!このライオンの顔!!!一般人がコンパクトデジカメで接写出来る最大値ではなかろうか?ガラスがあるので絶対に襲ってはこないと分かっていても本能は感じてしまう・・・
「喰われる・・・」
今までの動物園の常識を建築の力で飛び越えてしまった好例であると感じました。
ライオンは近くで見るとこんなにも筋肉質で、しなやかで、そして美しいのか・・・
これからの自分の設計にもこのような力で人に感動を与えられるよう日々建築に取り組んでいきたいと思いを新たにしました!

おまけ 

虎やライオンのネコ科ゾーンから動物園入り口まで近道が通っているのですが、そこは少し林になっていてそこを降りてみると・・・
「トラ出没注意・・・」
動物園でこの立て札。安佐動物園のジョークなのか・・・
それにしても虎の檻の近くにこの立て札とは!!!
一瞬、ドキッ!とさせられるおもしろ看板でした。
安佐動物園に行かれた方は是非探してみては如何でしょうか?

2011年6月16日木曜日

緑の力

現在、ホームページ上でcoming soon となっている住宅の玄関先に緑が植樹されました。
建築に緑が入ると俄然、説得力を持つのは何故なのでしょうか?


壁の色味とのコントラストなのか・・・

人間のDNAに刷り込まれている大自然の記憶なのか・・・

人工物には出せない不思議な魔力が宿っている。

人間は定規で描いた直線を美しいと感じる一方、自然が作り出すどこにも直線を含まないアトランダムなパターンにも美しさを感じてしまう。

自分の頭の中で起こっているこの感覚を深く考察してみても、何故それを美しいと感じるのかは分からない。

しかし、明白なのはそれを感じている瞬間というのはとても快いのです。
設計をしているとなかなかいいプランやデザインが思いつかない時があります。
でも悩み続けているとある時、まるで降りてくる様に絵を描く事が出来る瞬間というのがあります。悩んでいる時は美しいと感じていない。降りてくるとは気に入った絵がかけた瞬間を意味します。
ものづくりをしている人や建築家、デザイナー、芸術家と言われるたぐいの人たちはその瞬間の快感を知っているから大変な仕事でもやめる事が出来ないんだと思います。

また、今夜もその快感を求めて?(仕事に追われて・・・)白紙の図面に向かおうと思います。


このブログの投稿をしている間、この写真をずっと見ていました。
何かに似ているなと。
洋食のお皿の脇にチョンと載せられたパセリに似ていると思いました。
ある必要は無いのだけれど、添えるとお皿全体の料理が締まる。
私自身の建築の方向性としてなるべく装飾的なものは排除してなるべくシンプルに考える向きがあるのですが、でも最後にこのパセリ的な装飾を施す。
よくよく考えると不思議だなと・・・
人間のこの矛盾もまた美しいモノを生み出すひとつの要素なのかも知れませんね。


2011年6月15日水曜日

リノベーション完了!

先日まで工事していた物件がついに完了致しました!

以前のブログで書いていた照明の点灯状況をアップしておきます。ご覧下さい!



私の描いた一本の線が大工さんの丁寧な仕事と現場監督の指示でこのように素敵な照明になりました!
壁の間接照明が天井面を優しく照らし部屋全体にほのかな光を届けています。
天井に一直線に走っている照明は、間接照明だけでは暗い時用に設けた照明です。
読書など文字を読んだりするときに点灯して頂きます。
普段は優しい光で部屋全体を包み、必要なときに明るさを足すタスクアンビエントの考え方を導入しています。
他の写真も随時公開していければと考えておりますのでホームページ「田原泰浩建築設計事務所」も宜しくお願い致しますm(_ _)m

2011年6月9日木曜日

管理建築士講習

今日は管理建築士講習会でした。
毎日忙しい中、貴重な1日を費やしての講習会。
建築士事務所の運営を行っていくうえでの必要な知識や考え方を習う。
この講習会を修了しないと設計事務所を開いてはいけないという重要な講習会でした。

今度は建築士の講習が待っている・・・
管理建築士は一度受けておけばそれで終了だが、建築士自体の講習は3年に一度受けなければならない!

なぜそうなったかというと、事の発端はあの忌まわしい耐震偽装事件です。
構造計算書を偽装し、審査の目をかいくぐって申請が通ればそれでよい、という自分勝手な建築士の愚行によって法律が変わってしまいました。

本来建築士というのは鉄筋を少なくしたりしないものです。
むしろ増やす方向で設計するものです。
例えば柱に必要な鉄筋の本数が10本と計算結果が出たとしたら、普通は1、2本増やして入れるものです。
なぜなら、自分が設計した建物が万が一倒れたり壊れたりしたら嫌だからです。
それにその鉄筋のお金を払うのはお客様ですから、自分の懐が痛い訳ではないのです。
ですから普通は多めに設計するものなのです。

しか~し!
あの建築士さんはそれを逆手にとって鉄筋を大胆にも減らしてしまったのです。
そうすると、他の建築士が設計するよりも鉄筋が少なくて済むということになり、工事費が安くなります。すると、また仕事をお願いされます。次は分かりますね、期待にこたえるためもっと鉄筋を減らしてしまう・・・
もしかしたらあの建築士さんは、コンクリートを打ってしまったら見えなくなるし、仮に大地震が来て壊れても地震のせいに出来ると思ったのでしょうか?

いずれにしても、言われなくても強く作るものだと思われていた建築士の信用が、建築士はほっとくと何をしでかすか分からない!という風に見られるようになりました。
ほんの数人の建築士の自分勝手の為に!!!

ですので世間的にはもう風化を始めているあの事件も私たち建築士は3年に一回思い出すのです・・・

そんな名前の残り方ではなく、皆さんに喜んでもらって、そう、そこには笑顔も一緒に覚えていただくのが私の理想です(^^)

2011年6月8日水曜日

見えない部分も手を抜かない

現在行っているリノベーションも大詰めに入りました。
本日で木工事が9割終了。明日の午前中でほぼ終わるでしょう。

現場にてエアコンの設置について現場監督に確認。
滞りなく設置しましたとのこと。

窓から顔を出してエアコンの冷媒配管が出ているであろう部分を見てみると、、、

ない。

監督に聞いてみると、2階トイレ排水のための既存のパイプシャフトがあったので、がんばってそこを通させていただきました、と。

私の想定では2階の設置位置のすぐ背後に穴を開けて外壁伝いに室外機まで配管するものと思っていたのですが、現場監督と電気屋さんの判断、そして努力で配管を見えないように工夫していてくれたのです!!!

私はものすごく感動しました!!!
こういった努力というのは完成してしまうとまったく気付くことがありません。
というより気付かれないような、さりげない納まりにすることが私たち建築屋の美学なのです。
しかしその努力と技が誰にも気付かれないというのも寂しいのでこのブログに記録しておきます。

私はこういう職人的仕事が大好きです。
見えない部分も手を抜かない、これこそ職人の職人たる姿であると思います。
このような仕事をしていただける人たちにまた仕事をお願いしたくなりました。

私もお客様からそのように思っていただける心配りができるようになりたいと心の底から思いました。

この現場もあと数日で完成を迎え引渡しになります。
愛情を込めて作って、完成したらお別れ。
建築という仕事はそのプロジェクトの最後に必ず寂しさを感じる切ない仕事なのです。
しかし、その様に感じられる仕事をしていればお客様にも末永く愛していただける建築になるのではないかと信じて毎日建築に取り組んでいます。

2011年6月6日月曜日

大工さんの手仕事

現在リノベーションを行っている住宅の照明ですが、天井高さの関係で設計図から形状を変更することになりました。
間接照明を仕込もうと計画していたのですが、天井内の梁の位置により当初計画していた天井の形状が製作出来ないと現場が進んで行く中で判明。
どうしようかと現場にて監督さんと検討会議。
廃材に出た石膏ボードに原寸でスケッチ。
あーでもない、こーでもないと意見を出し合う中、私が一本の曲線をす〜と描いてしまった・・・

現場監督「あ、R(アール)にした・・・」

自分  「出来ますか・・・?」

現場監督「・・・・」

自分  「キレイだろうな・・・・」

建築においてR(曲線のこと)は意外と難しい行為なのです。
またデザインだけでなく照明なので、今後は器具のメンテナンスも発生する訳で、そのメンテナンス性まで含めてデザインする必要があります。
また施工するにもただ取り付けただけでは住んでいく中で壊れたりしてしまうので、耐久性も持たせなければなりません。
図面で描くことは簡単なことなのですが、それを高い耐久度とメンテナンス性を併せ持たせながら華奢に作るという相反することを同時に満たす最後の砦が大工さんなのです。

現場監督さんと大工さんに設計意図を伝えて現場を後にしました。
そして本日現場に行ってみると、

見事に、そしてあっさりと、華奢に作られていました!
しかも先端のとんがり具合は図面で描いていた以上のシャープさです!!!
強度もぶら下がっても大丈夫なくらいです。
照明の玉替えも十分行える寸法に仕上がっています。
私が思っていたイメージを凌駕するその技に感服です!!!

この大工さんの、すごい事を事も無げにサラッとこなしてしまう、仕事に対する姿勢に今後の自分の仕事に対する姿勢の方向性を見た思いです。
言われた事をするのは当たり前、それ以上を提供してこそ発展があると痛感させられた現場です。
また完成したらアップしたいと思いますので、乞うご期待を!

2011年6月3日金曜日

日本人のDNA

我が事務所の初物件である住宅の駐車場についに扉が付きました!
先日オープンハウスを行った際にはまだ間に合わず付けていなかった扉です。
皆さんにお披露目したかったのですが、間に合わずスミマセンでした。
その扉がついに取り付けられました!




















高さのある扉なので予算との調整に苦労した扉です。
この扉が付いたことにより建物全体が一気に和のテイストになりました。
なぜそう感じるのか・・・
それは日本文化に昔から馴染んで来た日本人であるからだと考えられます。
外国の方がこの扉を見てオリエンタルな雰囲気は感じるでしょうが、日本的とまでは思わないでしょう。
昔の町並みには窓や玄関に格子がたくさん使われていました。
それは外と内を完全に分けてしまうのではなく、必要なものだけ(光、風、気配etc...)を取り込み、それ以上には区切らず境界を曖昧にして人と人とのつながりも大事にすることができます。
東日本大震災でも日本人の人と人とのつながりが素晴らしいと外国のメディアが取り上げていました。
我々は当たり前だと思っていたことですが、テレビ等を通してみると「ああ、日本人なんだな」と改めて感じました。
この扉も日本的ですがその前に立つと改めて「ああ、日本的だな」と感じます。
この感覚はDNAに刷り込まれているものだと感じます。
日本人建築家、いや日本人が世界で活躍しているのもこの日本的素晴らしさが背景にあるからこそだと考えます。
その様な、人の感覚そのものに訴えかけられる様な要素を持った建築をこれからも作っていきたいと思います。

2011年6月2日木曜日

ホームページ更新!!!

独立してから作りっ放しだったホームページを実に2年ぶりに更新!
色々な方から「ホームページそのままだね…」とのご指摘を頂き続け、ようやく更新する事が出来ました。
このブログへもリンクしておりますのでホームページの方も合わせて宜しくお願い致します。