2011年7月23日土曜日

介護老人保健施設

ついに本年度の一級建築士設計製図試験課題が発表されました!


介護老人保健施設

(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)

受験生の皆さんは一体どのように受け止められたのでしょうか?
私は難易度が高いのではと感じました。
要求図面を見てみると1階平面図、2階平面図、基準階平面図、断面図、梁伏図、それに計画の要点の記述とあります。
新試験制度に移行して3回目の試験です。
出題者側も出題することに慣れてきたのか、はたまた別の意図があるのか、、、
いずれにしても今までの学習がモノを言う試験である事は間違いありません。
もし、私のブログを読んでいる生徒がいるのならもう一度気合いを入れ直さないと合格は難しいぞ!!!
これから更にネジ巻いて指導していこうと思いますので、くれぐれも途中で諦める事のないようお願いしたい。
夢は努力と苦労の先にしか存在しないのだから、、、

っといきなり製図の試験について書き出してしまいましたが、全然関係ない人にも少し解説。

一級建築士とは日本において建築分野のハイエンドな資格です。
設計してもいい規模に制限がありません。
つまり何でも設計してもいいのです。
超高層ビルだろうが巨大な工場だろうがです。
(最近法律が変わり、構造設計および設備設計に関しては更なる制限がありますが。)
よって試験も当然難関試験になります。

試験は1次試験である学科試験と2次試験である設計製図で行われます。
その学科試験は今年は7/24にあります。このブログを書いている時点では明日と言う状況です。
そして、その1次試験にパスした人が上記内容の設計製図試験を10/9に受ける訳です。

1次試験である学科試験は一級建築士として備えておくべき知識を問う試験です。
2次試験はそれら知識を駆使しそして実際の建物の設計に適正に応用出来るかを問う試験です。知識を問う1次に対して2次試験は言わば一級建築士としての「知性」を問う試験なのです。

また1次試験の学科試験はマークシートで行われますが、2次試験は実技試験です。
実際に6時間30分でプランから作図まで仕上げなければなりません。
かなりの精神力と体力を要求されます。

一級建築士試験とはそんな過酷で難しい試験なのです。

お分かり頂けたでしょうか???

今一級建築士を目指されている方々、頑張って合格を掴み取りましょう!


2011年7月21日木曜日

保守?革新?


夏本番ですが皆さん、しっかりと水分を摂って熱中症対策は出来ていますか?
今日、コンビニに飲み物を買いに行きました。
目的の商品はポカリスエット。
そこに飛び込んで来たのがこのアクエリアスの新商品!

AQUARIUS ENERGY X

アクエリアス エナジーエックス パッションフルーツフレーバー

私はお店でいつも迷います。
既に味を知っている従来からの定番商品か、どんな味がするか想像が出来ない美味しそうに見える新商品か。。。

飲んで見た結果は、、、イマイチ(´Д` )
私の口には余り合いませんでした。

よく妻からは
「だからいつも失敗するんよ~。定番にしとけば良いのに~」
と言われます。
しかし、私はそれには異を唱えたい。
何故ならそこには進歩や発見は存在しないからです。
ものづくりをする者にとって進歩がない仕事をする事は余り意味のない事だと思います。
前作の成功した部分は引き継ぎながら、課題部分に改良を加えより良いものを作り出す事こそものづくりをする者の本分であると考えます。
そこには失敗や批判は付き物です。
これは失敗する事を肯定するものではなく、製作者の姿勢の在り方だと思います。

上記商品もたまたま私の好みと合致しなかっただけです。
しかし、後悔はありません。
何故なら新しい味を体験する事が出来たからです。
最後までしっかりと頂きました!

この飲み物も開発段階ではいろいろと試行錯誤があった事でしょう。
私はいつも新商品を見る度にそんな開発者たちの日々の努力に触れられた気がします。
そしてまた新商品を手にする事でしょう、、、

2011年7月20日水曜日

おめでとう!なでしこジャパン!!!

最近ブログの更新速度が落ちて来ていてこれではいかん!ということで最近の近況報告。

まずは、なでしこジャパン 世界一おめでとう!

これはものすごいことだと思います!
ある分野で何かの大会や賞レースがあったとき、通常は入賞するだけでもかなり大変な事だと思います。
何故なら分野ごとにみんな一番を目指しているわけで、つまり入賞するという事はそんな日々努力している人達よりもさらに努力をしていたという証であるという事だと思います。
極めて当たり前な事ですが非常に困難な事でもあります。

3.11から沈んでいた日本にとってこれ程勇気づけられることがあるでしょうか?
私はこのニュースを朝一番で見たとき涙しました(T_T)
何かずっと気分が晴れない、どんよりとした靄を吹き飛ばしてくれました!

私は現在、某資格学校で一級建築士設計製図講座の講師を務めさせて頂いております。
その受講生たちにメッセージを送りたい。
設計製図試験というのは学科試験を突破してきた者たちで競い合う試験である。
前述のサッカーで言えばアジア予選を勝ち抜いた後の大会である。
参加している者は皆ある一定レベルを超えている者たちである。
その中で澤選手のように他の選手の前に出て結果を出さなければならない!
あの輝かしい栄光の影に血の滲むような日々の努力が積層されているのである。
10月の試験までもう残された日は少ない。
残された日を無心になって走り抜けよう!!!
夢はその先にしかないのだから。

人間は物理の重りと一緒で何もしなければ重力に従い落下するかの如く楽な方へ落ちて行くのです。
しかし人間には強力な武器が与えられています。
それは「努力」です。
人間以外の動物は努力という事をしません。
むしろ進化とは如何に楽をして生き抜くかというところに重きがあるように思います。
動物はしんどい事はしないのです。

私自身も日々の設計業務に加え講師の仕事が重なり毎晩夜遅くなってしまいへこたれそうになりますが、一応受講生の手前、先生と呼ばれる立場でもあるのでそこは率先垂範で私自身がどの受講生よりも努力してやろうと思います!

なでしこジャパンが証明してくれた「努力の先に夢がある」
これを信じて日々建築して行こうと思います。

2011年7月7日木曜日

雨のみち 続報!

先日、株式会社タニタハウジングウエアの谷田社長のブログで弊事務所設計の”伴東の家”が紹介された事をお知らせ致しましたが、先ほどタニタ社のホームページを見させていただいていたところ、施工事例集のところにも掲載されておりました。

読者の皆様にご報告申し上げます。



掲載してくださった株式会社タニタハウジングウエアさん、ありがとうございます!
あわせて、この物件に取り付けたHACOという角樋も皆様宜しくお願い致します。

ipad2

先日、完了した物件の施主よりipad2を頂いてしまいました!
なのでご紹介しておきます。今更説明は不要だと思いますが、Apple社のipad2です。現在私はiphoneも使用していて、かつパソコンもAppleのimacです。
ここまでそろって来てしまうとApple信者の域に入っている気がします・・・

この写真に写っているディスプレイの壁紙は伴東の家の夕景です(^^)

このipad2を使い始めておよそ3週間くらいになります。
感想は、、、「すごくイイ!」です。
まず、デバイスのディテールですが、iphone、imac同様美しい!
建築に携わっている関係で、納まりと言うものに非常に敏感になってしまうのですが、他の携帯電話やパソコン、タブレットと比較してその納まりは次元が違います。
持った瞬間に「なんだこれ?すごい質感だな・・・」と思わせる何かがApple製品にはあります。
私は通話用にdocomoの携帯電話(いわゆるガラケー)を使用しているのですが、その手触りや質感、そして実際の使用感に付いて天と地程の差があると言っても過言ではないと思います。もはや私にとってdocomoのガラケーは通話のみの使用に限定されてしまっています。
その他、メールやブラウジングはもっぱらiphoneとipadで行っております。
ipadに取り付けたApple純正Smart cover

 Smart coverを開ける途中。

このipadが来てから生活、仕事スタイルが大きく変わりました。
まず、お客様へのプレゼンテーション。
以前であれば紙に打ち出してプレゼンしておりましたが、今はこのipadでプレゼンを行っております。このデバイスの優れているところはこの画面の大きさにあると思います。
つまり携帯電話の画面では小さすぎるし、ノートパソコンだと自分が見ている状態から相手に見せるのに非常に動作が大きくなります。
しかしipadは自分が見ている方向から相手に向けたら画面が勝手にクルって回転して、そのまま相手へスマートに見せられるのです。
また、お互い同じ画面で、しかもスライドショーのように写真等を見せることができます。その上デバイスがディスプレイですので、写真等は紙に打ち出してみせるより美しいのです。

次に、資料等の紙類の整理です。これはすべてPDF化して、つまり電子書籍化してこのipadの中にすべて放り込んでしまいます。
私の職業柄今まで紙ベースだった図面など、そして資格学校の講師をしておりますので、その教材等全てを入れ込んでしまっています。
持って行くのはこのノートとipadのみ。
更に、ノートアプリをインストールしておりますので、ノート自体もこのipadでまかなえてしまっている状況です。

他にはスケジュール手帳もipadをメインにしております。

ノートパソコンよりは性能は落ちますが、その分目的がしっかりとしたデバイスなので全く問題になりません。むしろそのどこでも持ち出せる機動力の高さが最大のメリットではないのかなと思います。
試されていない方は一度触ってみてください。そこには「欲しい!」と思わせる魔力が宿っていますよ〜
恐ろしや!Apple!!!


以前からこのデバイスの有用性を仕事仲間達に訴えていたところ、その仲間たちが皆、購入していって取り残されたのが私のみという状況になりました。その仲間の中にこれを下さった施主も入っているんですけどね(笑)
で、あまりにも欲しそうにしている私を見たその施主がプレゼントしてくれたと言う訳です!
この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
ありがとう!N様(→施主です。)
大事に使い倒していきますので今後ともよろしく願い致します。

2011年7月3日日曜日

雨のみち

独立してから、お陰様で毎日忙しくさせていただいております。
ここ最近、あまりに忙し過ぎてほとんど寝ていない状況で嬉しい悲鳴です。
(残念ながら儲かってはいないのですが。。。)
なので、なかなかブログの更新も滞ってしまっています。
読者になっていただいている方々、頑張って更新していきますので今後とも宜しくお願い致します。

さて、弊事務所のホームページにて近日公開予定の(一体いつ公開出来るのか。。。現在、鋭意更新作業中です)「伴東の家」ですが、株式会社タニタハウジングウエアの谷田社長のブログ(Yan's diary)で取り上げていただいております。

実はこの伴東の家の雨樋はタニタハウジングウエアさんと共同開発(大袈裟?)させていただいたものを使用しております。
と言うより、私の意見を少し製造に反映していただいたと言う感じです。

まだ商品化されておりませんので詳細の公開は控えておきますが、竪樋が角形になっております。



この樋を採用した経緯は、私がタニタさんに問い合わせたところから始まります。
お客様から和のテイストが欲しいとご要望があり、それをどこで表現しようか悩んでおりました。日本らしい家とはどこで感じるのかいろいろと寺社仏閣や古い町並を見ていると、屋根と軒が和と感じさせるひとつの要素だと気づきました。
日本の気候は雨がとても多いという風土なので、雨を適切に処理する納まりにしたら自然と和の雰囲気が出るのではないかと考えたのです。
極力作為的なデザインを排し、とにかくシンプルに作りたいと考えていたので、軒もぐねぐね曲げるのではなく、まるで刀で切った様に一直線にしたいと思いました。
そうなると樋もシンプルなものが必要になりました。そこでタニタさんに問い合わせたのです。

お話を聞いてみると軒樋(水平に走っている樋)は角型があるのですが、竪樋は丸型しかないとのことでした。角形のプロトタイプは既に作っておられた様なので、それを採用するに当たり、細かな納まりについて私なりの意見を聞いていただき、試作品を作っていただきました。
そこから更に開発の方に要望を出して改善をしてもらい、写真にあります素晴らしい樋になったと言う訳です。


この樋は建築全体の形態を決めた重要な要素です。建築は細部と全体とがシームレスに調和が取れていないと美しくないと思います。建物の形がカッコよくても細部がいい加減だと残念な感じになります。ディテールがカッコ良くても引いてみて全体の形がカッコ悪いとこれも残念な感じになります。


建築は近くから見たり触れたり、また離れて全体を見たりと、どこも気が抜けません。
全体の形態は建築士が決めることができますが、細部に用いる現場では作れない様な既製品はメーカーに委ねるしかありません。
絵を描いたり口で言うのは簡単な事ですが、それを現実のモノとして作り上げるのは本当に大変な事です。
それを難なく(実際には色々と試行錯誤されたと思いますが・・・)やってのけてしまったタニタさんには感謝を申し上げたいと思います。
また無名の建築士の意見でも真摯に意見を聞いてより良いものを開発して行こうという、懐の深さと企業精神に私も同じものづくりをしている者として、姿勢を新たにしていこうと思いました。